「オープン」を単なる流行り言葉ではなく、気骨ある新時代の思想として実装するために本書は存在する。(田中浩也)

 

オープンソフトウェアにはじまったオープン化の流れは、コンテンツ、ハードウェアを経て、いま「デザイン」にまで及んでいます。

 

本書は、主にプロダクトデザイン分野を対象に、この「オープンデザイン」という考え方について、さまざまな筆者による論考や事例の紹介などを通じて解説する書籍です。

 

インターネットを通じたデータの共有や、ダウンロードしたデータを手元で実体化できるデジタルファブリケーション技術などによって、かつてないほどデザインの共有、改良、製作が容易になっています。そのような背景をもとに、デザインという行為、そしてデザイナーという職業がどう変化すべきなのか、について考えます。

 

日本語版も原著と同じように、様々な人のコラボレーションによって生まれました。さらに単に原著を翻訳するだけには留まらず、日本の事例と論考を加えて、原著の「アップデート」を行いました。このような「能動的なコミットメント」の態度は、まさに本書が主眼としている「オープン」のコンセプトに相応しいものと私たちは信じています。

 

オープンデザインの領域は、まさに今広がりつつある領域です。

本書によって、さらなる議論と「アップデート」が行われることを私たちは期待しています。

 

『オープンデザイン』に関わった全ての人に深い感謝と、

「オープンデザイン」を実践している全ての人に深い敬意の念を表して。

 

日本語版『オープンデザイン』

監訳=田中浩也
 訳=川本大功
   巾嶋良幸

   古賀稔章

   水野祐

   岩倉悠子

   菊地開司

 

編集=田村英男

   赤嶋映子

   窪木淳子

〜原著のWebサイトより〜

『オープンデザイン』の原著である『Open Design Now』は、2011年6月2日に書籍として出版されました。出版後直後から2012年12月12日まで、本の内容が徐々に公開されていき、現在ではクリエイティブコモンズ•ライセンスの元で100%オープンとなっています。

 

デザインは今まさに革命の最中にあります。テクノロジーによって、人々にデザインを創作し、普及させやすくなり、プロも愛好家も自分の作品を世界中で共有するようになりました。オープンデザインによって、家具から生計の立て方まで全てが変わり始めているのです。

 

『オープンデザイン』は、この新興領域を概説しています。John ThackaraやDroog DesignのRenny RamakersとBre Pettisを含む本書の著者たちは、何がオープンデザインをドライブしていて、どこに向かおうとしているのかを注視し、著作権や持続可能性、そして社会批評の問題と、新しいビジネスモデルについて考察を加えています。ケーススタディでは、自己増殖する3DプリンターのRepRapから、50ドルの義足に至るまでの様々なプロジェクトが世界を変えている方法を紹介しています。

 

本書は、デザインと社会の未来に関わる全ての人にぜひ読んでほしい書籍です。

 

『オープンデザイン』の原著は、オランダのデザインとファッションの研究所であるPremselaと、Waag Society、そしてクリエイティブコモンズ•オランダが出版社のBISと協力して製作し、5月に書店に並ぶことになりました。

 

「オープン化はつまるところ、商業や文化的の問題を超えた問題である。それは生存のための問題なのだ。」JOHN THACKARA

 

原著『Open Design Now』

編集者

Bas van Abel

Roel Klaassen

Lucas Evers

Peter Troxler

 

ヴィジュアルコンセプト•デザイン

Hendrik-Jan Grievink

 

BIS publishers

 

2011年6月

 

 

 

発行:オライリー・ジャパン

ISBN:978-4873116310

発売日: 2013/8/24

仕様:A5版ソフトカバー、380ページ

 

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